29歳、金沢一人旅。目的は薄い、なのに濃い旅(1日目後半)
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前回は1日目前半(金沢駅→ひがし茶屋街→近江町市場)までの思い出を振り返りました。

今回は
金沢城→兼六園→金沢21世紀美術館→ホテル到着まで
の1日目後半を振り返ります。
一人旅を楽しむ様、温かく見守ってもらえると嬉しいです。
金沢城へ向かう道中、尾山神社に立ち寄る
近江町市場を出て、まずは金沢城へ向かうぞ〜と、Googleマップで道のりを確認。その案内に沿って歩いていると不思議な建造物に遭遇。その魅力的な佇まいに惹かれて、寄ってみることに。

ここは前田利家とお松の方を祀る【尾山神社】。その入り口に建設されている「神門」は日本最古の避雷針と和漢洋の様式が用いられているとのこと。鳥居がなければその奥に神社があるとは思いもしなかったでしょう。珍しい光景。
拝殿でのお参りを済ませて、境内に入ってからずっと気になっていた前田利家の銅像を近くで見上げる。

馬にめっちゃ大きい石のせてる…!!
馬に対するスパルタ大将…!?と思ったけれど、解説を読んだところあれは「母衣(ほろ)」という矢を防ぐための大きな袋らしい。安心した。
さらに奥に進むとそこには小さな庭園「神苑」が。
落ち着きのある静かな別世界。勇ましい銅像とこの庭園のギャップ、良き。
さらに奥に進むと、なんと金沢城の入り口のひとつ「鼠多門」に到着。Googleマップが教えてくれた門とは違う入口だけどまあいいか。ここから【金沢城】へ!
金沢城公園

鼠多門から入って最初に目にするのは「玉泉院丸庭園」。本来のメインの門から入ったわけではないのに、こんな優美な景色からお城の敷地内を楽しめるとは思わず、静かに興奮。広大でのどかなお庭。ほかの観光客もその美しさに影響されてか、ゆったりと歩いているように感じる。
そこから奥に進み、坂を登る。さっきいた場所よりも高い位置から同じ庭池をみてもまた違った魅力があり、どこから眺めても楽しめます。
そして「二の丸広場」へ。ここまでくれば城の建物が見えてきます。節約魂により有料エリアはスルー。園内マップを持ってない私、とりあえず「本丸」と書かれた矢印看板に向かって歩きます。


で、気づけば森の中。
本丸があったとされる場所は、立札看板があるだけでした(笑)
でも私、こういう道好き。人も少なくて、なんだか嬉しい。少し戻って「丑寅櫓跡」から街の様子を眺める。兼六園の場所、確認。そこから来た道を少し戻って、兼六園方向へ歩き出しました。

広くて余裕の感じるお城。誰かと来るにはあまり盛り上がらないかもしれない。一人で探索するには良い感じ。広くて坂の高低差もあるから、いい運動にもなりそう。私が地元民なら確実に定番のお散歩コースにする。
そして旅の目的地、兼六園。…の前にお茶タイム
「石川門」から【金沢城公園】を出て、ついに【兼六園】の入り口に到着した私ですが、入り口近くにお茶屋さんが数軒建っているのを発見して、ここで一服することに。
創業明治21年【堤亭】で冷たいお抹茶とあんころ餅のセットを注文。お店の外の縁台に腰かけていただきます。

家だったらパクっと一瞬で食べてしまうけど、昔の旅人気分で通行人や景色を眺めながらゆっくり味わう。旅の疲れをふっと忘れさせてくれる優しい抹茶、あんころ餅。一句詠めそうな世界観(詠めなかった。)
いざ、兼六園!
入園料320円?安い!と思いながら入場券を購入。いざ入園。

好き。
岡山県民の私としては日本の庭園といえば「後楽園」のイメージが強かったので、似た感じかなと思っていたら、全然違う。


どちらも魅力的だけれども、後楽園は中心が広く開けているのに対して、兼六園は開けた箇所はあるものの、より深い森の中のような感じがする。苔が美しい。『もののけ姫』の「こだま」がそこらに隠れていそう。ここで私のスマホの容量を大きく消費するほどの写真と動画を取りまくりました。


園内を2周してやっと満足した私、兼六園を出ました。
時間が余ったので、金沢21世紀美術館へ
本当は兼六園を見たらホテルに向かおうかと思っていたけれど、まだ15時すぎ。チェックインできる時間だしどうしようか迷ったけれど、なんだかもったいない気がして兼六園出口から信号渡ってすぐの【金沢21世紀美術館】に向かうことに。

広大な芝生の中心に建物。金沢きてから何度美しいと思わされてるんだ私。
館内へ入ると美術館としてはなかなかの賑わい。どうやら多くの人の目的は現代アート「スイミング・プール」。地上から観るとプールの底に人が見える、地下から観るとプールの中にいるように上の世界が見えるというもの。
地下部にも興味はあったものの、順番待ち予約が必要で、さらに追加で料金がかかる。節約魂発動。地下部は断念。常設展示のチケットだけを買って、プールは上から観ることに。

でも上からでも面白い。人がキョロキョロしながら動く様を水面上からじっと観察。
…獲物をここから捕らえて捕食する、そんな野生本能が掻き立てられるような感覚。
ぞくっとして、私は無言でさっと引き返した。
常設展示、これもなかなか面白い。美術館といえば絵画やオブジェのイメージが強いけれど、映像作品もあるんですね。
そもそも私は美術館に行く機会が多くない。興味を持った特別展へ行ってみることはあったけれど、常設展示に無目的に入るのは初。どんな世界なんだろうとドキドキしていましたが、やっぱりよく分からないというのが感想。
もし日常で遭遇したら、迷惑行為とも取れるような、ただの変な人とも取れるような。そんな作品も。
私は頭を抱えて「現代アートってなんだろう…」と思考を巡らせながら各展示をじーっと見つめる。見つめたところで答えが出てくるわけでもないのに。というか、答えを求めることはナンセンスなのだろうか。うーむ。
その間に、多くの人が私を追い抜いていった。
もし私と一緒に来ている人がいたら、気になった作品から動かなさすぎるし、そのうえ出てくる言葉は「なんだかよく分からない」だから、きっと腹を立てるだろう。
一人でよかった。

ホテルへ行く前に夕食探し。ビーバーとの出会い
16時。美術館で想像以上に長い時間を過ごした私はホテルへ向かうことに。
ここからホテルは歩いて10分ほど。夕食はついていないので自分で調達しなければ。コンビニで買ってもよかったけれど、どうせならば地元ならではのものが食べたい。とはいいつつ、外食は高いのでスーパーへ向かうことに。
迷子になりながらもたどり着いた【マルエーmini 香林坊店】。小さなスーパーなので品数はそこまで豊富ではない(しかもなんかちょっと高い気が…)。地元ならではのおかず的なものがあればいいなーとは思ったが見当たらず。
うーんと悩んでいると目に入ったのが「のどぐろビーバー」。手書きのポップには「北陸民のソウルフード」という文言。よし、これだ。と一袋かごに入れ、あとはお弁当とどこにでも売ってるシュークリームを買って、ホテルへ。
朝10時から歩き続けた旅、終了
チェックインを済ませ、部屋に入り荷物を降ろしたとたん瞬間疲れがぶわっと押し寄せてくる感覚が。
いやーー、我ながらよく歩いたなぁ。何とかなるもんだ。
このままベッドにダイブしたいところだが、私の宿泊したホテルにはウェルカムドリンクのサービスがあり、一階のロビーには地酒や加賀棒ほうじ茶、ハーブティーなど様々なドリンクが用意されているということなので向かうことに。

ここで頂いた日本酒「加賀鳶」のスッキリとした味わいに一人天井を仰ぐ私。
めちゃくちゃ飲みやすい。
日本酒は物によっては好き嫌いがあって、さらに私はあてがないと楽しみづらいタイプなのですが、こりゃお酒だけでもいける数少ないお酒だ~。飲食スペースの奥、カウンター席の隅で一人頷く29歳女は私です。
ちなみにこの「加賀鳶」、最終日の駅のお土産屋さんでギリギリまで買って帰るか本気で悩むことになります。買わなかった理由?節約魂です。

そして部屋に戻りお弁当…の前にスーパーで買った「のどぐろビーバー」が気になって開封。初めて口にするお菓子。恐る恐る一口食べて、そこからノンストップでボリボリボリボリ……。
めっちゃうまい!!普通にどこにでもありそうなあられのようだけれども、手が止まらない。お酒の当てにもいいかもだけどそのままでもいい。好き。
おやすみなさい
そんなこんなで、薄い目的と無計画さで始まったこの旅は想像以上に濃いものになった。
外から見たら、落ち着きのある一人旅に見えたかもしれない。
でもね、心は震えた。脳内で言葉があふれ出した。過ごした時間の中で退屈だった瞬間なんてなかった。
目的が薄くたっていいじゃないか。とりあえず出かけてみたらいいんだ。今回の旅がそれを教えてくれた。
シンプルに楽しかった。
【おわり】


